【最新版】Apple Search Ads (ASA) とは?活用法について徹底解説!

Rina Yoshidaby 
Marketing Manager at AppTweak

2 分の読了時間

2016年(※日本国内では2018年)のローンチ以来、Appleのアプリ広告配信サービスであるApple Search Ads (ASA) は、高品質で関連性の高いトラフィックを誘導するのに強力なツールとして多くのアプリ担当者に活用されています。

ASAは、現在61カ国のApp Storeに対応しており、広告はストア内のTodayタブ、検索タブ、プロダクトページ、そして検索結果に表示させることができます。

今回の記事では、ASAにおける最新情報と具体的な活用法について解説していきます!


ASA (Apple Search Ads) とは?

Apple Search Adsとは、その名の通りApple社が提供するiOSアプリ向けの検索広告であり、App Store内に掲載することができます。

ASAがローンチされた当初は、広告主が狙いたい検索キーワードに対して予算を設定し入札することで、その検索結果の上位に広告を表示させる仕組みでした。今では、広告を掲載できる箇所が増え、App StoreのTodayタブや検索タブ、さらにはプロダクトページにも表示させることができます。

ASAを活用する最終的な目的は、より多くのユーザーへリーチをかけ、アプリのダウンロード数を増やすことです。

ASAにおける検索キーワードの競合に勝つための施策についてはこちらの記事もチェック!

ASAを上手く運用すれば、ASOの可視性においても良い効果をもたらすため、さらにコンバージョン率(CVR)やダウンロード数が伸びるでしょう。そのため、ASAを活用することは、していない他社に対する競合優位性につながります。

Apple Search Adsの「Basic」と「Advanced」プランの違いとは?

Apple Search Adsには、「Basic」と「Adcanced」の2つのプランがあります。ASAの効果を最大限に得るには、Apple Search Ads Advancedの利用を推奨しますが、本記事では両プランについてご紹介します。

Apple Search Ads Basicについて

Apple Search Ads Basicは、App Storeでの広告掲載を容易にするために設定されたプランです。こちらのキャンペーンでは、 ASAのアルゴリズムにより自動的にキーワード選定や入札の最適化が行われるため、キャンペーンを行うにあたっての面倒な準備の手間が省けます。

<Basicプランの主な特徴>

  • ASAのアルゴリズムによる自動的なキャンペーンの最適化
  • 簡易化されたキャンペーンの設定・管理
  • 簡易版のためレポーティング・KPIについては制限あり
  • CPIの目標設定可能
  • 手動でコントロールできる設定にも制限あり

Apple Search Ads Advancedについて

Apple Searach Ads Advancedでは、広告グループの作成やビジュアル要素の変更などキャンペーンにおけるすべての設定を自由にコントロールすることができます。Advancedプランでは、キーワードや広告グループ単位でもレポーティングが可能で、KPIについてもCPT(最大タップ単)やCVR(コンバージョン率)、インプレッションシェア、タップ数、ランクなどとより多くの数値が確認できます。

<Advancedプランの主な特徴>

  • 検索結果、検索タブ、Todayタブ、プロダクトページに広告を出稿可能
  • 検索結果広告については、広告グループやキーワード、支出額が自由に設定できる
  • CPT価格モデルのため、ユーザーが広告をタップするごとに費用が発生する
  • レポートでは、より詳細なパフォーマンスデータが取得可能

BasicとAdvanced、どっちが良いの?

Basicキャンペーンは、専門知識の少ないマーケターにとっては良い選択肢かもしれませんが、キャンペーンの最適化が不透明であるという点、どこでどのように予算が使われるかをコントロールできない点では不利になるかもしれません。

広告で最大限の効果を得たい場合は、Apple Search Ads Advancedが断然おすすめです!

Apple Search Adsにおけるキャンペーンの種類と掲載場所

もともとApple Search Adsは、主にインテントベースの検索キャンペーンを実施するために利用されていましたが、現在では様々な「広告プレースメント」といわれるキャンペーンタイプを実施することができます。

それでは、各広告プレースメントについて、詳しく見ていきましょう。

検索結果広告

最も一般的なApple Search Adsのプレースメントであり、ストアの検索からアプリを探しているユーザーに対して広告が表示されます。検索結果キャンペーンでは、特定ユーザーの検索クエリに対する検索結果の最上位に広告が表示されるようキーワードを狙って入札することができます。

検索タブ広告

検索タブ広告を使うことにより、ユーザーが検索をかける前の段階でリーチすることができます。また、こちらの広告については検索タブのおすすめアプリリストの最上位‍に表示されます。

Todayタブ広告

Todayタブは、App Storeのトップページでもあり、幅広いユーザーの目に留まるため、インパクトのあるクリエイティブを用いた広告を表示させることで、アプリに興味を持ってもらえるチャンスが広がります。‍Todayタブ広告は、App Storeにアクセスしたユーザーが最初に目にするコンテンツとなる上、フルサイズで表示された場合、スマホ画面の50%以上の面積を占めます。こちらの広告で使用されるクリエイティブについては、Todayタブ専用に作成したカスタムプロダクトページ(CPP)からAppleより承認されたものが掲載されます。

「プロダクトページ – 閲覧」広告(その他のおすすめ)

プロダクトページ広告は、別のアプリのプロダクトページの一番下までスクロールしたユーザーに表示されます。

ターゲティングについては、以下の3つのオプションから選択することができます。

  • 自社と同じカテゴリに属するアプリのプロダクトページに広告を表示させる
  • 自社と異なるカテゴリに属するアプリのプロダクトページに広告を表示させる
  • 特定のカテゴリを指定せず、プロダクトページに広告を表示させる
Apple Search Ads (ASA) の広告プレースメント
参照元:Apple

検索結果キャンペーンの種類

Apple Search Adsの検索結果キャンペーンについては、Appleが提供しているキャンペーン構成のガイドラインに従い、4つキャンペーンタイプに分類して作成することがASA担当者の間では一般的とされています。

  • ブランドキャンペーン:アプリ名や企業名を検索しているユーザーに特化する。
  • カテゴリキャンペーン:アプリのカテゴリや機能を表すキーワード(※ブランドキーワードは含まない)を検索しているユーザーに特化する。
  • 競合キャンペーン:自社アプリと同じ、または関連性が高いカテゴリ内で類似アプリを探しているユーザーに特化する
  • 調査キャンペーン:より広いオーディエンスにリーチし、ターゲットとすべき検索人気度が高いキーワードを特定することに特化する。また、調査キャンペーンについては、さらに以下2つの種類に分けて広告グループを作成することが推奨される。
    a) 検索マッチ広告グループ:App Storeでの関連検索に合わせて広告が表示されるよう、どのキーワードも含まず検索マッチがオンになっている状態のグループ
    b) 部分一致広告グループ:他の3つのキャンペーンタイプにおける全てのキーワードを含み、マッチタイプが部分一致に設定され、検索マッチがオフになっている状態のグループ
Apple Search Ads検索結果キャンペーンの構成
参照元:Apple

セマンティックベースのキャンペーン(特に競合・カテゴリキャンペーン)については、複数の広告グループに分けることをおすすめします。この場合、ユーザーの検索意図ごとにグループ分けし、キーワードの検索マッチタイプを「完全一致」に設定すると良いでしょう。

広告をユーザーの検索意図ごとに分け、それぞれのグループに最も適切なカスタムプロダクトページ(CPP)を表示させることは、広告パフォーマンスの最適化に繋がります。

Apple Search Adsを管理する方法

Apple Search Adsのキャンペーンでは、調整すべき項目がたくさんあるため、ここからは、ターゲティング、入札額、キーワードに分けて詳しく解説していきます。

オーディエンスターゲティング

Apple Search Adsのキャンペーンは、地域、年齢、性別、顧客タイプ、デバイスの種類別でターゲティングすることができます。ただし、特定のオーディエンスに絞り込んだ場合、「パーソナライズされた広告」の設定をオフにしているユーザーには広告が表示されませんので、その点ご留意ください。

「顧客タイプ」別にターゲティングする場合、ユーザーは「すべてのユーザー」「新規ユーザー」「以前アプリをダウンロードしたことのあるユーザー」「自社が持っている別のアプリのユーザー」の4タイプに分類されます。ユーザーの規模を拡大したい場合は、「すべてのユーザー」を選択しましょう。「すべてのユーザー」には、コンバージョン率が高いとされている「以前アプリをダウンロードしたことのあるユーザー」も含まれます。

予算と入札額

ASAコンソールにおける予算は、期間にかかわらず総支出、つまり「全体予算」として認識しておきましょう。予算の設定にあたっては、週間予算に達し次第キャンペーンが停止してしまうため、高めに金額を設定することが推奨されます。ただし、ここで設定する金額は、あくまでも目安であり、実際に請求される金額を示しているわけではありません。

予算に限りがある場合は、設定する金額を支出の制限として設定すると良いでしょう。予算制限が設けられている場合、パフォーマンスを最適化するにあたって最高予算を最もパフォーマンスの高いキャンペーンや主要なターゲット市場に再配分する必要があります。

また、ASAに費やせるリソースが限られている場合、デイリー予算で支出の上限を設定することも支出を管理するにあたって効果的です。デイリー予算を厳格に設定することは、広告のパフォーマンスを最適化することはもちろん、スケール拡大にも繋がります。あまり効果が見えないキャンペーンについては、上限を低く設定し、コンバージョン率が高いキャンペーンに注力することでアカウント全体のROASの改善になるかもしれません。反対に上限を高く設定すれば、キャンペーンが制限なしに実行できるため、チャネルを拡大するチャンスになります。

入札範囲については、キャンペーン実行後に確認できるようになり、そこでパフォーマンスが好調か否かの把握ができます。結果が確認できたら、次は入札額を上げるか下げるかの判断が必要です。広告のインプレッション数があまり多くない場合は、リーチを拡大させるために入札額を引き上げ、インプッション数が多いものの入札が低い場合は、パフォーマンスに悪影響を与えない程度に徐々に入札額を下げましょう。

ASAにおけるキーワードの検索マッチタイプ

ASAの検索結果キャンペーンでは、キーワードを選択後、どのような検索にマッチさせたいかの範囲を指定することができ、「完全一致」「部分一致」「除外キーワード」の中から選ぶことができます。

  • 完全一致:ユーザーが検索したキーワードが選択したキーワードと一致している場合、または複数形やスペルミスなど近い場合にのみ広告が表示されます。部分一致に比べ、インプレッション数が少なくなるものの、関連性の高い検索にターゲットを絞って表示させることができるため、CVRが高くなる傾向にあります。
  • 部分一致:デフォルトで使用されるマッチタイプであり、選択したキーワードに関連性が高いとされる検索キーワードで検索したユーザーがターゲティングされます。ASAのアルゴリズムにより複数形やスペルミス、同義語や関連性のあるキーワードはある程度特定されますが、自由にキーワードを追加することも可能です。
  • 除外キーワード:除外キーワードを追加すると、特定の検索キーワードに対して広告が表示されないように指定できます。不要な検索トラフィックを覗くことができるため、コストの管理や向上にも効果的です

ASOとASAの相乗効果

ASAは、ASO対策を改善するためのツールとしても活用できます。もちろんASA単体でも、ストアでの露出度やコンバージョン率、キーワードランクを向上させる効果がありますが、さらにもう一歩踏み込むだけで、ASOとASAとの間で相乗効果のループを生み出すことができます。

ASAでコンバージョン率が高いキーワードを特定し、ASO対策におけるキーワードやクリエイティブの最適化を行う際に導入することで、更なるコンバージョン率や露出度の向上に繋がります。ASAからの学びをASOに適用し検証することは、チャネルを超えた全体的なインパクトの最大化をもたらすことから、長期的なアプリの成長を達成する上でこの相乗効果は欠かせません。

ASAとASOの相乗効果が得られるのは、主にカスタムプロダクトページ(CPP)、検索順位・可視性、キーワード最適化といった3つの領域です。

カスタムプロダクトページ (CPP)

カスタムプロダクトページ(CPP)を活用することにより、一貫性のあるブランドメッセージやシームレスなユーザー獲得を維持しつつ、ユーザーの属性に合わせて異なるアプリのランディングページを表示させることができます。どういう仕組みかというと、特定のターゲット向けの広告グループからトラフィックを誘導し、そのターゲットやユーザーの意図に合わせたクリエイティブがあるCPPに誘導します。その結果、ASA広告としてデフォルトのアプリページではなく、より関連性の高いクリエイティブを使用したCPPが表示されるため、タップスルー率(TTR)からより高いコンバージョン率(CVR)が得られます。高いCVRを獲得することでキーワードパフォーマンスを改善することができ、これにより入札額を上げ、オークションでより競争力を発揮し、インプレッションシェアを高め、キーワードのスケールを拡大させるといった効果も得られます。

オーガニックの検索順位・可視性の向上

ASO対策で狙っているキーワードでの上位表示が実現できなくても、ASAでキーワードに入札することで、上位表示させることができます。その結果、App Storeでそれらのキーワードにおける可視性が向上します。また、ASA広告により特定のキーワードでのアプリダウンロード数が増えると、オーガニックの検索順位も上がる可能性が高くなります。つまり、ASAでダウンロード数が増えると、オーガニックダウンロード数も増え、App Store上で全体的なアプリグロースを促進することができるのです。さらに、ASAでは関連性の高いユーザーをターゲティングするため、アプリ内で課金してくれそうなユーザーからのダウンロードを獲得できるチャンスも高まります。

キーワード戦略の強化

キーワード戦略においてもASAとASOは互いに相乗効果をもたらします。ASAを実施することにより、検索キーワードのデータを収集することができるため、ASAでのパフォーマンスが高かったものをアプリのメタデータ(アプリ名、サブタイトル、キーワードフィールド)に追加しASOを改善することができます。また、重要なキーワードをメタデータに追加することは、ASAにおける可視性を高める効果もあるため、結果としてwin-winな状況が生まれます。

Apple Search Adsキャンペーンの設定方法

Apple Search Adsにおける重要な要素を押さえたところで、ASAの具体的な設定方法についてご紹介します。

  1. Apple Search Adsのアカウントを作成する:ASAを始める前に、まずはアカウントを作成する必要があります。Apple Search Adsコンソールにアクセスし、App Store Connectのアカウントでログインしましょう。
  2. アプリを設定する:特定の市場向けにApple Search Adsを設定したい場合、その国でアプリの購入、ダウンロード、またはプリオーダーが可能である必要があります。(※一部の制限により、地域によってはアプリがASAの対象にならない場合があります)
  3. キャンペーンを作成する:アカウントを作成し、アプリが対象であることが確認できたら、さっそくキャンペーンを作成してみましょう。Search Adsの「キャンペーンダッシュボード」から「キャンペーンの作成」ボタンをクリックしましょう。
  4. ターゲットオーディエンスを選択する:広告が特定のユーザーに向けて表示されるようターゲティングできることは、ASAの主なメリットの一つです。地域や年齢、興味や関心別にユーザーを絞り込むことができます。ただし、ユーザーを特定のオーディエンスに絞った場合、端末の設定で「パーソナライズされた広告」がオフになっているユーザーには広告が表示されません。
  5. 予算を設定する:続いては、予算を設定しましょう。デイリー予算、全体予算が設定できます。
  6. キーワードを選定する:広告キャンペーンを成功させるには、適切なキーワードの選定が欠かせません。アプリとの関連性が高く、ターゲットとするユーザーがストアで検索する可能性が高いキーワードを選びましょう。
  7. 広告を出稿する:キャンペーン設定が完了したら、いよいよ広告のローンチです。広告は、すぐに出稿することもできますし、事前に出稿予約をすることも可能です。
  8. パフォーマンスをモニタリングし、最適化する:広告キャンペーンのパフォーマンスを定期的に監視し、必要に応じて調整を行うことは非常に重要っです。結果を見ながら、入札額やオーディエンス、キーワードを調整し、広告の効果を改善していきましょう。

これらの手順を踏んでApple Search Adsを活用し、ターゲットユーザーを誘導して、アプリの可視性やダウンロード数を促進させましょう!


最後に

今回ご紹介したApple Search Ads活用にあたってのポイントを押さえて、効果的な広告キャンペーンを作成し、より幅広く関連性の高いユーザーに向けてアプリを宣伝しましょう!

今後もApple Search Ads関連の最新情報を配信して参りますので、ぜひチェックしてください。

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Rina Yoshida
by , Marketing Manager at AppTweak
Rinaは、AppTweak Japanのマーケティング担当として、日本市場におけるASOの認知度向上に取り組んでいます。趣味は、グルメ探索、ランニング、愛犬と遊ぶこと。