【無料テンプレート付き】日本アプリ市場向け効果的なキーワードサイクルを構築する方法
アプリのオーガニックダウンロード数を伸ばすためには、アプリストアでの可視性と、適切なオーディエンスにアプリをどのように提示したいかを考慮する必要があります。総ダウンロードの65%はストア内での検索機能により発生しており、アプリが検索結果にどれだけ表示されているのか、また、どのくらい上位に表示されているのか、という点がオーガニックダウンロード数を伸ばすためには最も重要です。そこで、アプリのメタデータでキーワードを最適化することで、検索でアプリが表示される可能性を高めることができます。
この記事は、全てのキーワード最適化に関連するタスクをシンプルにし、キーワード最適化を効率的にすることです。フレームワークに関するより詳細な情報が必要な場合は、こちらで読むことができます (英語版のみ)
1. キーワード最適化とは?
キーワード最適化 (Keyword Optimization, 以下 KWO)は、キーワードのボリュームデータ、ユーザーインテント、アプリとキーワードの関連性などを考慮した上で、アプリに最も適したキーワードを選ぶプロセスです。何千ものキーワードから限られたキーワードを選ぶため、いくつかのステップを踏む必要があります。Phiture は、各々のステップやプロセスをシンプルにしたキーワード最適化サイクル (Keyword Optimization Cycle) を導入し、最適なキーワードをより手短に見つけることができるフレームワークを作成しました。
2. キーワード最適化サイクルとは?
キーワード最適化サイクルは以下の4ステップから構成されています。
- リサーチ (Research): キーワードを探す
- プライオリタイズ (Prioritize): キーワードに優先順位をつける
- ターゲット(Target): 選抜されたキーワードでメタデータ(タイトル、サブタイトル、木キーワードセット、ディスクリプション等)を作成
- メジャー (Measure): 選抜されたキーワードのインパクトを測る
上記のプロセスを簡単且つ効率よく実行するために、 Google スプレッドシートを用いて行います。(リンク先でテンプレートのコピーが可能)
以下では、Pinterestを例にし、どのようなプロセスでキーワードを選抜していくのかを紹介します。
スプレッドシートのセットアップとして、”OVERVIEW”タブにて、4-7行にアプリURLとマーケット情報を記入します。これらのデータを基に、アプリ名やアイコンなどが自動的にアップデートされます。
ステップ1:キーワードを探す
(使用するタブ: Step 1.0: Search backlog)
最初のステップでは、ユーザーがアプリを見つけるために検索するであろうキーワードを全て書き出すことが大切です。「ユーザーはどんなキーワードを用いてアプリを見つけるだろうか?」とユーザー目線に立ち、関連性があるキーワードをリストとして作成します。(現在メタデータに用いているキーワードを入力することを忘れずに!)
Google Play Store Console で取得可能なのキーワードレベルデータや、GoogleキーワードプランナーなどのWebサーチのデーターからキーワードを参照することもオススメします。
ワンポイントアドバイス
日本語でのKWOで特徴的なことは、複数の表記形態でキーワードを追加することです。本来であれば、ひらがなで入力し、漢字またはカタカナに変換しますが、多くのユーザーはひらがな表記で検索をかける場合が多いため、場合によりひらがな表記のキーワードをターゲットする必要もあります。
ステップ1では、500種類以上のキーワードをリストすることができると良いでしょう。
ステップ2:キーワードに優先順位をつける
(使用するタブ: Step 2.0: Keyword data, Step 2.1: Set relevancy, Step 2.2: Individual keywords)
ステップ2.0: データ貼り付け
キーワードリストを作り終えたら、どのキーワードをメタデータに含むべきかを決めるために優先順位を付けます。
ステップ2.1: 優先ラベルの設定
貼り付けたデータのボリュームデータを基に、”Step 2.1: Set relevancy”タブではボリュームが6以上のキーワードが、優先ラベルを決めるために参照するデータ(ランキングしているアプリ数、キーワードランキングデーターなど)と共に降順に表示されます。
このステップでは、アプリが検索結果に表示される可能性のある数多くのキーワードの中から、ユーザーがアプリをダウンロードするであろうキーワード、アプリが上位にランクインするであろうキーワードを選抜します。
ここでは、AppTweakで取得したデータを基に客観的にキーワードを選抜すると同時に、主観的にもキーワードがアプリに適切であるかを見極めて選抜することが大切です。
次のキーワードを例にとって考えてみましょう。
- キーワード: “部屋 レイアウト”
- ボリューム: 50
- ランクインアプリ数: 185
- 現在のPinterestのランキング: ランキング外
客観的視点: キーワードボリュームも高いため、多くのユーザーが検索する。また、競合相手も少ないため、比較的容易に上位にランクインできる。
主観的視点: Pinterest は、インテリアのアイデアを見つけることができるアプリであるため、検索結果上位に表示された際には、ユーザーがダウンロードすると高く期待できる。
以上を踏まえ、キーワードに4段階の優先ラベルを付けていきます。
-
Starred: アプリに最も適したコアキーワードであり、特にターゲットしたいキーワード。(10個以内に制限し、集中的に確実にターゲットすることをオススメします。)
スコア = 5 -
Extremely Relevant: アプリに特に適したキーワード。
スコア = 3 -
Normal: アプリに適したキーワードだが、ユーザーのダウンロードインテントは高くない。
スコア = 1 -
Irrelevant: 明確でないキーワードやジェネリックすぎるキーワードなど、アプリとは関連性が薄いキーワード。
スコア = 0
ワンポイントアドバイス
AppTweakの“Live Search”機能では、どのようなアプリがランクインしているのかをチェックすることができるため、どの様なアプリがランクインしているか、アプリが上位にランクインする可能性があるかなどを見極めることができます。
ステップ2.3: レビュー
優先ラベル“Irrelevant”以外が設定されたキーワードはスペース毎にキーワードが区切られ、一つのキーワードとして表示されます。ここでは字数や1文字に対するスコア、いくつのキーワードに使われているかなどを確認することができます。特に、ストア内でのメタデータは字数制限があるため、文字数や1文字に対するスコアなどは特に重要な数値になってきます。
ステップ3: キーワードを選抜し、メタデータを作成
ステップ3.1:Apple App Store
(使用するタブ: Step 3.0: App Store Metadata)
インデックスされるメタデータ
- タイトル (max. 30文字)
- サブタイトル (max. 50文字)
- キーワードセット (max. 100文字)
- デベロッパーネーム
- カテゴリー名
ローカライゼーション
Apple Store では、日本語を含む39言語のメタデータを作成することができます。(2021年3月25日現在。)しかし、多くの場合、各地域の App Store は複数のメタデータに含まれているキーワードをピックアップするため、より多くのキーワードをターゲットすることが可能です。
日本の App Store の場合、日本語と英語 (アメリカ)のメタデータに含まれているキーワードがインデックスされるため、2倍の文字数を使用することができます。そのため、テンプレートでは2言語のメタデータを同時に作成できるよう仕様となっております。
Locale 1の現在のタイトルとサブタイトル(5行目)には、自動で英語(アメリカ)のデータが入るように設定されています。キーワードセット及びLocale 2のデータは手動入力です。必要に応じて、Locale 1またLocale 2に適切なメタデータを手動入力してください。
- アメリカ: 英語 (アメリカ)、スペイン語 (メキシコ)
- 中国: 中国語 (簡体字)、英語 (イギリス)
- 韓国: 韓国語、英語 (イギリス)
- 日本とカナダを除く地域では、英語 (イギリス)に含まれているキーワードがインデックスされます。
(Increasing the Number of Keywords in App Store Optimization by Localization)
キーワードの選び方
17行目以降は、前ステップで決定したスコア順にキーワードが表示されます。文字数、文字数毎スコア、頻度のデータを基に、キーワードがどこの項目に含まれるべきかをドロップボックスにて選択します。ここでは、頻度と右横に表示されているキーワードを基に、キーワードのコンビネーションも考慮する必要があります。
ワンポイントアドバイス
- キーワードコンビネーションはひとつの言語内のみ可能。
- ボリュームが大きいキーワードを沢山含むことや、文字数を最大限使用することで可視性を高めることも大切ですが、ユーザーに魅力的なタイトル、サブタイトルを作成することも大切です!
ステップ3.2:Google Play Store
(使用するタブ: Step 3.1: Google Play Metadata)
インデックスされるメタデータ
- タイトル (max. 50文字)
- ショートディスクリプション (max. 80文字)
- ディスクリプション (max. 4000文字)
- デベロッパーネーム
- カテゴリー名
Play Store ではキーワードを何度か使用し、キーワード密度を高めることが大切です。スコアが高いキーワードを基に、ターゲットしているキーワードを何度も使うことが、キーワードランキングを高めることに繋がります。
テンプレートでは、最も重要な上位50のキーワードがリストとして表示されます。また、データを基に推奨されるウェイトが計算されます(”Guidance”として表示。)
上位50のキーワードは、優先度またはキーワードスコアの順にランク付けされ、新しいメタデータ(D列)で使用されているキーワードの発生回数とともに表示されます。これらの要素は、右側のキーワードごとのウェイトスコアの計算に組み込まれ、メタデータに適切な密度がある場合は”Guidance”列が緑色に表示されます。
Google Play Store では、キーワードの完全一致と部分一致を区別しないため、テンプレート上ではカウントされない場合があります。
例)「写真」と「検索」の使用頻度をそれぞれ上げるも、テンプレート上では「写真検索」の数値が変化しない。
ステップ4:キーワード追跡と準備
(使用するタブ: Step 4.0: Tracking)
ステップ3でメタデータを作成した後、 App Store と Play Store でメタデータを更新します。新しいメタデータの影響を効率的に測定するには、ターゲットとしているキーワードをAppTweakに追加し、トラッキングを開始することが重要です。また、優先順位の高いキーワードから開始することで、次回キーワード最適化をする際の準備にも大いに役立ちます。
このプロセスは、「Step 4.0: Tracking」タブでより効率的に行うことができます。このタブには、優先キーワードのリストと、それらの関連ラベル、ボリューム、検索結果の数、及び最終的なキーワードスコアが表示されます。3行目にコンマで区切られたキーワードがコピーできるので、簡単にAppTweakにキーワードを追加できます。