アプリのローンチ前にできる5つのASO対策

Rina Yoshida by 
Marketing Manager at AppTweak

1 分の読了時間

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AppTweakでは、アプリのライフサイクルにおけるすべてのステップを支援できるよう、日々ASO対策ツールの開発を進めています。これはまだストアで公開されていない、ローンチ前のアプリについても変わりありません。アプリの成長戦略を成功させるには、ローンチ前の段階から、様々な要素を考慮し入念に準備を行う必要があります。

今回の記事では、アプリをストアでリリースする前から取り組めるASO対策と今後ASO戦略を強化するにあたってのAppTweak活用方法をご紹介します。


①アプリに最適なカテゴリを選ぶ

一見簡単そうに思えますが、アプリをストアでリリースする際、最適なカテゴリを選択することに頭を悩ます方は少なくありません。では、どのようにアプリに最も関連性の高いカテゴリを選べば良いのでしょうか?

アプリに最適なカテゴリを見極める上で考慮すべき最初のポイントは、競合アプリが属するカテゴリです。AppTweakの「アナリティクス」機能を使って似たサービスや機能を提供している競合アプリのカテゴリを確認することで、自社アプリをストア内でどのように位置づけしたいかがより明確になるでしょう。類似したアプリは多くの場合同じカテゴリに属している傾向があるため、自社アプリのカテゴリを選ぶにも競合アプリ(=類似サービスを提供しているアプリ)を分析すれば、ある程度選択すべきカテゴリを絞り込むことができます。

続いてのポイントは、検討しているカテゴリを分析し、特徴を捉えることです。AppTweakのMarket Intelligence機能を使えば、アプリのダウンロード数や推定収益において、どのカテゴリが最も大きな成長を遂げているかを知ることができます。この機能ではカテゴリごとに季節性の傾向や競争率を把握することができるため、検討しているカテゴリで上位でランクインする可能性をも測ることができます。ローンチ前からこれらのカテゴリに関するインサイトを掴むことには、メリットがたくさんあります。

例えば、アメリカで新しくマッチ3パズルゲームをリリースする予定で、主要カテゴリとして「ゲーム-パズル」カテゴリと「ゲーム-カジュアル」カテゴリのどちらを選ぶか迷っているとしましょう。

以下に示すように、Market Intelligenceでアメリカにおけるデータを見ると、2020年を通じてダウンロード数、収益ともに「ゲーム-パズル」カテゴリは「ゲーム-カジュアル」カテゴリより高い成長を遂げたことがわかります。

しかし、総ダウンロード数は「ゲーム-カジュアル」カテゴリの方がはるかに多いです。さらに、カテゴリの上位に到達するためには「ゲーム-パズル」と比較して「ゲーム-カジュアル」の方がより多くのダウンロード数を必要としています(トップ1へのダウンロード数を除く)。

つまり、同じだけのダウンロード数で、「ゲーム-カジュアル」カテゴリよりも「ゲーム-パズル」カテゴリの方がより高いポジションでランクインできることになります(ただし、1位を除く)。

AppTweakのMarket Intelligenceで見る「ゲーム-カジュアル」と「ゲーム-パズル」のデータ
AppTweakのMarket Intelligenceで見る「ゲーム-カジュアル」と「ゲーム-パズル」のデータ

さらに、アプリに関連性が高いキーワードで上位にランクインしているアプリと、それらのアプリがどのカテゴリに属しているかも確認することができます。

例えば、日本のApp Storeで「パズル」というキーワードで上位5位にランクインしているアプリを見ると、それぞれのアプリが「ゲーム-パズル」カテゴリに属していることがわかります。

app-store-japan-apps-ranking-in-top-5-for-keyword-puzzle-category

Google Playの場合、アプリのストア掲載情報に「タグ」を追加することもできます。これらのタグは、Googleのアルゴリズムがアプリの用途を把握し、紐付けるべきキーワードやアプリを特定する上で役立ちます。これらのタグは手動で追加することができますが、Googleがアプリに関連するタグを自動的に割り当てることもあります。

AppTweakの「ライブ検索」機能を使えば、どのタグが競合アプリと関連付けられているかを確認することが可能です。これを活用し、アプリのローンチする前からどのGoogleタグが自社のアプリに最適なのかを知ることができます。

ワンポイントアドバイス

Googleのタグは、選択しすぎないよう注意が必要です!広い範囲を狙うのではなく、最も関連性の高いタグを選定し絞ることを推奨します。

Google Play Storeのタグについてはこちら(英語)

利用可能なGoogle Play Storeのタグの一覧はこちら(英語)

②アプリに最適な市場を狙う

アプリのリリース前から最も多くの需要が見込める市場を特定できると大きなプラスになります。ローンチ予定のアプリの展開が成功する可能性が高い市場を見極めるにあたっても、AppTweakはとても便利です。

アプリの需要が高い市場を特定することは、社内のリソースを効果的に分配する上でも役立ちます。例えば、アプリの検索や収益化が最も見込める市場がフランスとドイツであることが判明した場合、これらの市場に向けたASO対策に注力したり、多くのリソース割り当てたりすることが可能になります。リソースが十分に割り当てられると、アプリページのメタデータやクリエイティブを単なる翻訳で済ませず、完全にローカライズ・カルチャライズされた状態でリリースすることができます。

アプリの需要が見込める国を特定する一つ目の方法は、競合がトップチャートにおいて強い存在感を示している市場を特定することです。AppTweakのMarket Intelligence機能では、カテゴリや国に渡ってトップチャートの概要を見ることができるため、競合他社が最も存在感を示しているトップチャートを特定することができます。これにより、アプリが最もユーザーの関心を寄せられるであろう市場も見極めることができるでしょう。

下の例では、9カ国のApp Storeにおける「ゲーム-パズル」カテゴリのトップ10ゲームが表示されています。「Tap Away 3D」や「キャンディークラッシュ」はアメリカ、オーストラリア、フランスやイタリアでは人気があるものの、韓国とドイツではあまり人気がないことがわかります。これらに類似したゲームをリリースする場合、韓国とドイツ以外の市場でのローンチを優先すべきであるという判断ができます。

9カ国のApp Storeにおける「ゲーム-パズル」カテゴリのトップ10ゲーム

③アプリ名を最適化する

新しいアプリのタイトルに、どのキーワードを入れるべきか迷っていませんか。

例えば、あなたの新作ゲームがランニングに特化しているものだとしたら、「ラン」「ランニング」「ランナー」のうち、どのキーワードを含めるべきか迷うかもしれません。アプリ名(メタデータの中で検索結果に最も影響力のある要素)を決めるにあたって上手くAppTweakを活用すれば、最も可視性を高める効果があるキーワードを見極めることができます。

どのキーワードがアプリに一番関連性が高いかを判断するには、AppTweakのASO Intelligenceから検討中のキーワードで「ライブ検索」を行うことをおすすめします。「ライブ検索」機能では、リアルタイムで特定のキーワードにおいて上位入りしているアプリを見ることができるため、検索結果に出てきたアプリと自社アプリのマッチ具合を確認することができます。

上記で挙げたランニングゲーム例に戻りますが、ライブ検索を行うと、アプリ名に「ラン」が含まれている場合、検索結果のほとんどがゲームアプリであることがわかります。一方、「ランニング」については、「ゲーム」というキーワードも一緒に含まれていない限り、ヘルス&フィットネスカテゴリのアプリを指す傾向があることがわかります(iOS、日本)。

また、「ランナー」については、検索結果からどちらかといえばゲーム寄りであることはわかりますが、それぞれのアプリ名を見ると「ランナー」というキーワードを実際に含んでいるアプリは多くありません。このことから、3つのキーワードのうち、ランニングゲームに最も適したキーワードは「ラン」であることがわかります。

アプリ名のキーワード最適化「ラン」「ランニング」「ランナー」の違い

次にキーワードのKPI、特にボリュームと難易度を調べていきます。単体のキーワードとその組み合わせ、そしてブランド名と関連付けた場合のKPIも確認していきます。また、関連性が高い他の非ブランドキーワードも忘れずに分析するようにしましょう。

ランニングゲームの例の場合、ブランド名が「XYZ」だとして、「XYZランナーゲーム」「XYZランニングゲーム」「XYZエンドレスラン」という3つのアプリ名の候補があるとしましょう。「ラン」「ランニング」「ランナー」だけでなく、「ランナーゲーム」「XYZランニング」「エンドレスラン」などその他ワードと組み合わせたキーワードのボリュームや難易度も調べる必要があります。

これらのキーワードにおけるボリュームや難易度を分析することで、検討しているキーワードのうち、どのキーワードをアプリ名に含めることストアでの可視性を高める上で最も効果的かを判断することができます。

④ローンチの前にセマンティック辞書を作成し、メタデータを最適化する

アプリがまだストアで公開されていないのに、どのようにセマンティック辞書(=キーワードリスト)を作成すれば良いのでしょうか?

ローンチ前の時点でも、既にアプリの用途や機能、価値提案などについては十分わかっているはずです。関連性が高いキーワードがどのようなワードかさえ把握していれば、キーワードリストを作成し始めることは可能です。

ここでもまずは、類似アプリのデータをAppTweakで見て、リリース予定のアプリのASO戦略を立てる上で参考にすることがおすすめです。ストアで公開前は、ツール上に自社アプリのページがないため、セマンティック辞書の作成を始める際は、まず別のアプリのページを使ってリスト(=セマンティック辞書)を作成すると良いでしょう。アプリローンチ後にそのリストを複製し、自社アプリのページのキーワード表に貼り付けることで自社アプリに沿ったキーワードのKPIが確認でき、より効果的なキーワードの選定が行えるようになります。また、以下のことも可能になります:

  • 最初に作成したリストを元に、さまざまな指標(ボリューム、難易度、インストール数など)をチェックし、アプリの可視性を高める効果が最も期待できるキーワードの選定を行う
  • 競合アプリがメタデータ(アプリ名、サブタイトル、簡単な説明、詳細な説明など)で使用しているキーワードを確認する
  • 競合アプリが上位にランクインしているキーワード、競合アプリへのダウンロード数が多いキーワード、ストアでのトレンドキーワードなど、新たなキーワードの機会を見つける
  • 関連性や検索頻度が高いキーワードの組み合わせを発見する
  • 関連性が高いブランドキーワードと非ブランドキーワードを見つけ出す

AppTweakを活用すれば、アプリがローンチされていなくてもセマンティック辞書を随時更新しすることができ、キーワード選定を入念に行うことができます。キーワードリストを作成するこにより、メタデータで狙うべきキーワードが明確になり、これをもとにアプリページを最適化することでストアでリリースしてから間もない状態でも検索結果の上位を狙える可能性が高まります。

⑤競合アプリのクリエイティブ戦略を分析する

クリエイティブにおけるASO対策のベストプラクティスを理解することで、リリース前からターゲットとしている市場に向けて最大限にアピールできる、魅力的なクリエイティブを作成することができます。

アイコンのトレンドを把握するには、設定予定のカテゴリのトップチャートを確認し、そこで上位に出てくるアプリのアイコンを分析すると良いでしょう。そうすることで、それらのアプリ間で見受けられる共通点を認識することができます。

下の例を見ると、日本のApp Storeの「ショッピング」カテゴリでは、ほとんどのアプリが無地の背景色にブランド名、イニシャルやロゴを取り入れる、といった非常にシンプルなアイコンを採用していることがわかります。

ショッピングカテゴリにおけるアプリアイコンのデザイン: 無料とセールス

クリエイティブのベストプラクティスを学び、メタデータ更新の傾向を掴むにあたって効果的のは、設定予定のカテゴリ内における上位アプリの年間の戦略をモニタリングすることです。

AppTweakツール上の「メタデータ更新頻度」タブ内の「ベンチマーク」から、モニタリングしたいカテゴリとベンチマークを指定できます(例:ショッピングカテゴリのトップ30)。

また、類似アプリにおけるベストプラクティスや戦略についてさらに踏み込んで調べ、クリエイティブを最適化するにあたってのインスピレーションを受けたい場合、競合アプリのモニタリングも行うとなお効果的でしょう。

AppTweakでは、競合アプリが使用しているクリエイティブだけでなく、更新頻度のデータも提供しています。特定の期間で競合がクリエイティブ(アイコン、スクリーンショット、プレビュー動画等)を何回更新したかが把握できると同時に、「タイムライン」を見れば具体的にいつ何を更新したかも知ることができます。

ここでご紹介したような設定予定のカテゴリや競合アプリについてのインサイトを有効活用することで、自社に合ったASOのクリエイティブ戦略を立て、ターゲットとしている市場におけるユーザーの興味を促すようなアイコン、スクリーンショットやプレビュー動画を作成することができるでしょう。


最後に

本記事でご紹介したポイントは、アプリのローンチ前にできるAppTweakを活用したASO対策であり、ツールにはアプリのその後の成長を促進させるような機能がまだたくさんあります!

キーワードやクリエイティブの最適化のみに留まらず、グローバル展開やローカリゼーション、検索広告やSNS広告などASO対策のあらゆる側面に欠かせないデータやインサイトを提供しております。

ASOは、一度きりではなく、長期にわたって継続的に行うべき対策であるため、アプリの成長戦略を成功に導くには、早い段階から戦略を練って、アプリを最適化するに越したことはありません。

それでは、アプリのローンチ前からASO対策を始められることがわかったところで、まずは7日間の無料トライアルでぜひAppTweakの様々な機能を使ってみてください!

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Rina Yoshida
by , Marketing Manager at AppTweak
Rinaは、AppTweak Japanのマーケティング担当として、日本市場におけるASOの認知度向上に取り組んでいます。趣味は、グルメ探索、ランニング、愛犬と遊ぶこと。