アプリのオーガニックダウンロード数 (自然流入) を増やす方法

Rina Yoshidaby 
Marketing Manager at AppTweak

1 分の読了時間

アプリダウンロードの流入経路は大きく分けると2つあります。一つ目は、オーガニックインストール (自然流入) 、そして二つ目は、有料インストールです。

これらを反対の意味の言葉として捉えると、「オーガニックインストールは完全に無料である」という印象を持つかもしれませんが、必ずしもコストがかからないとは限りません。

今回の記事では、オーガニックトラフィックと有料トラフィックの具体的な違い、そしてアプリのオーガニックインストール数を増やすためのポイントについて解説していきます。


アプリのユーザー獲得 (UA) における有料施策 vs オーガニック施策

ユーザー獲得における有料施策

アプリマーケティングにおいて有料施策とは、アプリのインストール数を増やすことを目的に行う有料の取り組み全般を指し、主にSNS広告、検索広告、アプリ内広告やその他追跡可能なデジタル広告手法によって成り立っています。

これら施策のパフォーマンスは、直接的に測定するこができ、さらにIDFA (広告用識別子) やUTMパラメータなどのトラッキングデバイスを使用することで、広告主はCPA (顧客獲得単価) やその他のKPIを最適化しながら、どの施策やキャンペーンが成功しているかを把握することができます。

有料施策では、自社のリソースに合わせて費用をコントロールしながら一定の新規ユーザーの流入を確保できるほか、サービスの利用・購入・購読が見込めるユーザー層が特定されることで、ROI (投資利益率) が可視化されるため、最も実用的なマーケティング手法であるとも言えます。

ただし、主なデメリットとして、かなりコストがかかってしまうという点が挙げられます。

ユーザー獲得におけるオーガニック施策

一般的に、「オーガニックUA = 有料UA以外のすべての施策」であるとされます。この認識からよく生じるのが「オーガニック施策はまったく手間や費用がかからない」あるいは「かかるとしても低負担・低コストで済む」といったような誤解です。

しかし、実際のところ、多くのユーザーに「自らアプリを見つけてダウンロードしてもらう」に至るまでには、かなり緻密な戦略立てやマーケティング活動が必要になります。

オーガニックインストールまでの経緯の例:

  • ブログやプレス記事を通してアプリを知り、ストアでダウンロード
  • デジタル以外の広告媒体でアプリを知り、ストアでブランド名検索を行いダウンロード
  • アプリストアで一般キーワードでの検索を行い、検索結果からアプリを見つけてダウンロード
  • 他のユーザーからアプリをおすすめされてダウンロード

上記のような経緯でオーガニックインストールを獲得するには、多少なりとも手間や費用をかけなければなりません。

これを念頭に置いた上で、早速アプリのオーガニック数を増やす方法について見ていきましょう。

アプリのオーガニックダウンロード数を増やす方法4選

オーガニックダウンロード数を増やすにあたって、多くのマーケターが直面する課題は、デジタル広告などを通してアプリを直接的に「売り込む」ことはせずに、ユーザーに自らアプリを見つけてもらったり、他の人にアプリを勧めたりしてもらうことです。

オーガニックダウンロードの増やし方は、アプリによって様々なので、これからご紹介する4つの方法を理解した上で、自社にとって最適な手段を選びましょう。

1. アプリ検索最適化 – 適切なオーディエンスにアプリを表示させる

ストアでブランド名などの指名キーワード以外でアプリを探す場合、多くのユーザーは自身のニーズに関連するようなキーワードで検索を行います。

そのため、ユーザーへのリーチを拡大したい場合、需要が高く ( = 検索頻度が多い) 、自社サービスへの関連性が高いキーワードを特定し、アプリ名やサブタイトル、説明文などのメタデータに含んで検索結果で上位表示を狙うことが重要です。

これは、アプリストア最適化 (ASO) の基盤でもあり、どんなアプリにおいても実践できるテクニックです。とはいえ、いざキーワード選定を行うとなると、感覚だけでは具体的にどのワードが検索頻度が高く、どのワードが自社アプリに関連性が高いのかの判断がいまいちつかないかと思います。その上、テキスト欄には文字数制限が設けられているため、キーワードに優先順位を付けながら選ばなければならないとなるとさらに難しく感じるでしょう。

【ASO初心者向け】アプリのDL数を伸ばすのに効果的なキーワードの選び方についてはこちら

そこでおすすめなのがアプリストアに特化したキーワード調査ツールを使用することです。AppTweakのキーワードツールでは、検索ボリュームや関連性、ランクイン難易度などの指標が見れるほか、各キーワードから見込めるダウンロード数の推定値が確認できます。また、キーワードの自動提案ツールなどもあるため、手間がかかるキーワード候補の洗い出しのプロセスの負担の軽減にも繋がります。

AppTweakのキーワード調査・提案ツール
AppTweakのキーワード調査・提案ツール

ただし、覚えておきたいのは、そもそも需要が高いサービス ( = 頻繁に検索されるキーワードに関連するサービス) でないとキーワード最適化のやりがいというのはあまり感じられないということです。裏を返せば、ニーズが高いサービスを提供しているアプリこそ、ASOを改善することで、ストアでの露出を高めてダウンロード数を伸ばすことができるということです!

【iOS 15以降のASO】アプリストアが提供している機能やツールを駆使する

カスタムプロダクトページ (CPP)

iOS 15のリリースに伴い追加された「カスタムプロダクトページ」により、デフォルトのプロダクトページに加え35種類まで、固有のURLを持ったアプリページが作成可能になりました。CPPでは、プロモーション用テキストスクリーンショットプレビュー動画をターゲットとしているユーザーの属性に合わせて訴求力が高くなるようカスタマイズすることができます。

ターゲットユーザーの興味・関心に寄り添う形で上手くCPPを活用すれば、コンバージョン率UPに繋がります!

英語学習アプリ「booco (ブーコ) 」は、TOEICの勉強を目的にアプリを探しているユーザー向に向けて、TOEIC対策を強調したスクリーンショットを使用したCPPを表示させています。AppTweakでは、特定のキーワードにおいて過去90日間で表示されたCPPが確認できるようになりました!
英語学習アプリ「booco (ブーコ) 」は、TOEICの勉強を目的にアプリを探しているユーザー向に向けて、TOEIC対策を強調したスクリーンショットを使用したCPPを表示させています。AppTweakでは、特定のキーワードにおいて過去90日間で表示されたCPPが確認できるようになりました!

App内イベント

App内イベントのイベント名・簡単な説明に含むキーワードも、実はApp Storeにインデックスされるため、適切なキーワードをターゲティングすれば、ストアでの露出を高めるチャンスに繋がります。

App内イベントを活用するメリットとして、

「新規ユーザーを獲得してダウンロード数を伸ばせる」

「既存ユーザーとのエンゲージメントを高めることでアクティブ率を維持できる」

「休眠ユーザーや失効したユーザーの興味を促し利用再開のきっかけを作れる」

などといった点が挙げられます。

アプリで期間限定イベントやキャンペーンを実施している際や、最新機能・チャレンジなどを追加した際には、App内イベントを活用して宣伝してみましょう!

プロダクトページ最適化

アプリのコンバージョン率を高めるにあたって最も重要とも言えるクリエイティブ要素ですが、デザインの候補をいくつか用意している場合は、最終的にどれを採用するべきか迷ってしまいますよね。

デザインを決めるにあたって、客観的な判断を下したい場合に役に立つのがApp Storeが提供しているプロダクトページの最適化 (PPO) というA/Bテスト専用の機能です。

PPOでテストできる要素はアイコンスクリーンショットプレビュー動画で、複数のパターンを実際にストアのユーザーに表示させることで、どのデザインが最もコンバージョン率が高いかを検証することができます。

Google Play Consoleにもストア掲載情報のテスト機能という似たような機能があるので、活用してみてください。

2. ブランド認知度を高める

ブランド名でストア検索を行うユーザーは、目当てのアプリが既に明確な状態にあるので、それよりも良いと感じるような類似アプリを検索結果で目にしない限り、ほとんどの場合、そのアプリをダウンロードすることになります。よって、自社のブランド認知度を高めることもオーガニックダウンロード数を伸ばす上で効果的です。

この場合、キーワード最適化を行う際に心がけたいのが、アプリの機能性や用途を示すようなキーワードだけでなく、ブランディングを高めるために価値提案やメリットを表すようなキーワードも含むことです。

ブランド認知度の構築には、様々なチャネルを通じたマーケティング活用が必要であり、時間もコストも労力もかかります。しかし、ブランド名で検索をしてもらうことは、競争率の高い一般キーワードで競うよりも遥かにダウンロードの獲得が確実です。

App Store・Google Playの検索ランキングを見ても、上位100位の過半数がブランド名などの指名キーワードであることから、ブランド知名度を高めることの重要性がわかります。

「ブランド力の向上」と聞くと、テレビのCMや広告を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ASO対策もブランディングを高める一つの手段です。どんな経緯でアプリを知ったにせよ、プロダクトページはアプリをダウンロードしようとしているほとんどのユーザーが最終的にたどり着く場所であることから、自社のブランディングをしっかり反映しているかの確認が必要です。

競合他社のブランドメッセージを見たり、ユーザーからのレビューなどを参考にしながら、自社のブランディングを高める上で強調すべきポイントを見つけましょう!

瞑想・睡眠アプリ「Calm」は、スクリーンショットの1枚目に受賞歴を記載して、ブランディングを高めています。
瞑想・睡眠アプリ「Calm」は、スクリーンショットの1枚目に受賞歴を記載して、ブランディングを高めています。

3. リファラル戦略を立てて実際のユーザーにアプリを広めてもらう

オーガニックインストールを増やすにあたって、実際の利用者にアプリを広めてもらうことは非常に効果的でありながら、取り入れて成功させるのが難しい手段でもあります。

これを促す方法として最も使われているのが、利用者からの招待経由でアプリがダウンロードされることで紹介者 (もしくは両者) に報酬が与えられる「お友達紹介プログラム」などといった制度です。

しかし、このような制度を導入しても、よほど周りの人にもアプリを紹介したくなるようなUX (ユーザーエクスペリエンス) や報酬がなければ成立しません。UXとなると、ASO担当者よりかは開発側の領域にも入ってしまいますが、ここで出来ることとしては、レビューに書き込まれているユーザーの声を参考にアプリページとプロダクトの改善に努めることです。

また、アプリへの興味を促す方法として、アプリを正式にダウンロードしなくてもUXの一部を「お試し」のような形で体感してもらえるApp Clip (iOS)Instant App (Android) の活用も効果的です。

4. 他社 (または他のアプリ) とパートナーシップを結んで協力し合う

アプリのオーガニックインストール数を伸ばす方法として最後に紹介するのは、他のアプリや企業とタッグを組んでアプリのプロモーションを互いに協力し合うことです。

自社が提供しているサービスとの相性が良いアプリ・企業を探し、割引キャンペーンなどを実施しながらアプリを宣伝し合うことで、ダウンロードのポテンシャルが高い、新たなオーディエンスへのリーチを広げ、見込み客を増やすことに繋がります。

今回ご紹介した施策の中では、こちらが一番ASOとの関連性が低い (ストアのアプリページにたどり着く前から既にダウンロードされる可能性が高いといった意味で) かもしれませんが、告知に向けたクリエイティブの最適化が欠かせないことには変わりありません。

このようなプロモーション活動を行った際には、トラフィックへの影響はもちろん、レビューや評価などを含むパフォーマンスを定期的に確認しながら必要に応じて調整を行うことが重要です。


最後に

「オーガニック施策 = 無料で実践できる」とは限りませんが、有料UA以外でアプリのダウンロード数を促進させる方法はたくさんあります。時間、費用、人材などのリソースを考慮した上で、今回ご紹介した中から自社に適切したオーガニック施策を試してみてください!

ASO対策は、ストアでの可視性やコンバージョン率を高め、アプリのオーガニックインストール数を伸ばすのに効果的であることはもちろん、その他アプリマーケティング施策にも相乗効果をもたらします。

ただし、ASOで十分な効果を得るには、定量的なデータに基づいた戦略が欠かせません。

AppTweakが提供する業界最先端のASOツールを活用しながらキーワード選定や競合調査、クリエイティブ作成を行い、アプリのオーガニック施策を強化しましょう!

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Rina Yoshida
by , Marketing Manager at AppTweak
Rinaは、AppTweak Japanのマーケティング担当として、日本市場におけるASOの認知度向上に取り組んでいます。趣味は、グルメ探索、ランニング、愛犬と遊ぶこと。